離婚と親権を考える会

離婚と親権についてお悩みの方、ご相談ください

離婚協議書

離婚の時期(子どもとの関係・子どもの年齢)と取り決める項目の重要度

  財産分与 親権者
(監護者)
養育費 面会交流 慰謝料
①夫婦二人(結婚してすぐ離婚) *1 × × × 離婚理由による
②夫婦と乳幼児・小児 *2 *3
③夫婦と15歳前後~成年の子 *4
④夫婦と成年~大学卒業前の子 ×
⑤夫婦二人(子は独り立ち) × × ×

*1 一般的に結婚期間が短いと夫婦が協力して蓄えた財産も少ないことから、財産分与はほとんど期待できません。
また妻が、結婚や出産を機会に退職して家事に専念し、職業上のキャリアが途切れると離婚後の再就職が難しくなりますが、そのときの妻に対する生活保障についても、結婚期間が短いと多くを要求できない場合があります。

*2 妻が退職して職業上のキャリアが途切れる期間が長くなればなるほど生活の保障が必要になります。 妻が親権者(監護者)となり、子どもが幼い場合は特に再就職が難しく、夫が養育費を負担するかどうかが妻と子どもの暮らしぶりに大きく影響します。

*3 面会交流は、「するならする」、「しないならしない」とメリハリをつけた方が幼児期の子どものためです。 親権者(監護者)でない方の親が、子どもの成長を継続的に見守りたいという気持ちで会うならいいのですが、 子どもに会いたい時に気まぐれに会って、小遣いやプレゼントを渡すなど、子どもの歓心を買うような行為に走るなら逆効果です。

*4 幼少期の面会交流は子どもの精神的安定を図ることを主な目的としますが、子どもが10代半ばともなると進路の選択や将来の方向について、 親権者(監護者)でない方の親が相談に乗る場面も出てきます。

離婚協議書を作成するにあたって取り決めておくこと

■財産分与

離婚してから2年を過ぎると請求できなくなります。
① 結婚していた間にできた財産の清算、
② 夫婦のうちで離婚したあと経済的に不利な立場にたつ人の離婚したあとの生活の保障、
の意味があります。

分ける財産がないときでも、今後の収入の一部を財産分与するという取り決めをすることもできます。
離婚したあと新しく住むところを用意するのは大変ですから、離婚するまで一家で暮らしていた家を安く借りる・無料で使える、という契約をすることも財産分与のひとつの方法です。

*夫婦が協力してできた財産ですから「分与=分け与える」というのも変ですが、この呼び名を変えようという動きはないようです。

■親権者(監護者)・・・独り立ちしていない子どもをどちらが育てるのか。
「親権者(監護者)を決める時は子どもの幸せを第一に考えて」と言われていますが、何が幸せかの判断はとても難しいことです。子どもの気持ち・親の気持ち、現在の環境・将来育って行く環境・・・大人の考える幸せが子どもにとっての幸せと一致するとは限りません。
以前は、幼い子どもは母親と一緒に暮らすのがいいとされていましたが、その考え方は少し変わりつつあります。

■養育費・・・子どもが独り立ちするまでにかかる費用は、どちらがいくら負担するのか、また、支払う日はいつで、どんな方法で支払うのか。
養育費の決め方については「大切な子どもたちのために養育費を」(社会保険研究所発行)が参考になります。お問い合わせくだされば詳しく説明します。

■面会交流・・・独り立ちしていない子どもと、別れて暮らす親が、あらかじめ取り決めた日時に会って、お互いに元気でいることや順調に成長していることを確かめあいます。日帰りや泊りがけで出かける場合もあります。

■慰謝料

離婚してから3年を過ぎると請求できなくなります。
たとえば「精神的虐待」の場合は相手からどんなことを言われ、どんな扱い(ふるまい、行為)を受けたか前後の事情を含めて日記や詳しいメモで残しておくと第三者に説明しやすく、「暴行虐待」の場合では写真や診断書などほかの人が見てもすぐに分かるような証明資料を残しておくことが大事です。

*民法が改正され、「面会交流」・「養育費の分担」についても離婚するにあたって父母の協議で定める、と明記されました。
(平成23年6月3日公布・平成24年4月1日施行)

養育費が支払われない・面会交流をさせてもらえないという事態の解消をめざすものです。
法律に書かれたからといって養育費の支払いや面会交流が確実に実行されるとは限らないのですが・・・。

■その他、保険契約の内容変更、年金分割についても必要に応じて取り決めをします

学資保険の契約、夫婦・親子間の生命保険の契約については、受取人・保険契約者・保険料支払者などの変更が必要ないか、よく確かめます。 年金分割の対象になるのは厚生年金と、国家公務員・地方公務員・私立学校教職員の各共済です。

夫婦が、お互いに「離婚すること」に同意し、「離婚協議書の内容」に納得したら公証役場へ行って公正証書にします。 離婚したときの約束が守られないときには、公正証書が力になります。 公正証書がないと、また最初から話し合いになります。話し合いがうまく行かないときには家庭裁判所で調停を申し立てることになり、調停もうまく行かないときには裁判ということになってしまいます。